社内SEに転職して初めて味わう屈辱

一般的に、情報システム部門が社内での立場が弱いことは、以前に当ブログでも書きました。
今回は、そのことを改めて感じた出来事をご紹介します。

先日、特に間仕切り等が無いフリーの打ち合わせスペースで、部長数人と社長が何やら打ち合わせをしていました。
私の席はその打ち合わせスペースに近いので、少し大きめの声で話す会話内容は、普通に聞こえてきました。

どうやら、会話内容は現在進められている基幹システムの再構築プロジェクトに関する内容で、システム部から各部門に依頼している作業が遅延していることについてでした。

話の方向性としては、
 ①業務部門が多忙で、依頼作業になかなか手をつけられない
 ②運用テストで新旧比較テストを行う予定だが、業務部門の体制が組めない
という各部長から報告された課題に対し、どのようにリカバリーするかという方向に進んでいましたが、ここで社長が一言。

「システム部門ではできないのか?」

まぁ、これは割とどこの会社でもよくある話で、そんなに驚きはしません。
実際、業務部門がどこも多忙なのは承知の上で、こちらとしても作業をいくつか引き取り、できるだけ依頼作業を少なくしたつもりでした。

ただ、かなり細部の実務ノウハウが絡む部分については、専門家である業務部門に作業依頼をしました。

「実務が絡む部分なのでシステム部では難しいかと思います。」

とある業務部門の部長がこう発言しました。まさにおっしゃる通り。
ところが、この一言で社長に火がつきました。

「システム部が実務が解らない!?ふざけんな!」


まさかの発言。システム部の立場が弱いのは納得済で転職しましたが、まさかここまで虐げられているとは・・・
8月に入社して以来、このプロジェクトの主担当として仕事をしてきた身としては、屈辱以外の何物でもありません。(怒)

それを聞いて、他の部長はダンマリに。
打ち合わせに参加していたシステム部の部長も同じくダンマリでした。
せめて、一言ぐらい言い返してほしかった・・・

その後、その日は帰りの電車に至るまで、ムカムカしたまま一日を過ごしました。(汗)
とは言え、冷静に考えると、これが社内SEの現実なのでしょう。

情報システムに明るい経営者は一握りですので、世のほとんどの社長はこんな感じなんだと思います。

いや、社長の言うことも一理あるんですよ。
私自身も、システム部が業務部門の業務を把握している方が、当然良いシステムができると思います。
それを理解しているからこそ、私が入社した時点で誰も業務を把握していないシステム部に危機感を感じ、私が全部門の業務を把握しようと考えました。
この3ヶ月間は、業界知識や業務知識に関する参考書を読み漁り、また各部門の業務マニュアルを読んだり、キーマンにヒアリングして回ったりと、業務を覚えるのにかなり苦労しました。
しかし、ようやくそれも実を結び始め、業務部門ともより実務に近い議論をしたり、あるべき論を考えられるようになってきました。

そんな矢先に、今回の社長の発言を聞いてしまったもんですから・・・さすがにやりきれませんでした。
せめて、聞こえないところで打ち合わせしてほしかったと思いますが、まぁわざと聞こえるように言ったのかもしれませんね。

なぜ、システム部が全ての業務を、それも実務レベルで知っていなければならないのでしょう?
しかも、全員がここ3年以内に転職してきた人達ばかりだというのに。

残念ながら、システム部は神様ではありません。
ヒアリングしたときに、業務部門の人から実務的な話が出れば、それを少しずつ知識として蓄積していくことは可能です。
しかし、業務部門で日々仕事をしているわけではありませんから、全ての実務を知る由もありません。
せめて、数人の社内SEで手分けしてサブシステムを受け持っていれば可能かもしれませんが、残念ながら手分けできるほどうちのシステム部は余剰人員がいません。

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一方で、社長は全部門の実務を詳細に理解しているのでしょうか?
システムを構築するのに実務レベルの知識が必要だというのであれば、経営方針を打ち出す上で全部門の実務レベルの知識が必要無いのはなぜでしょうか?
実務を知っていた方が有利なのは、どちらも同じはずです。

実際、社長は下期のコスト削減策として、全部門の残業を抑制するよう通達を出しました。
当社の業務量は減るどころかむしろ増加傾向にあるのに、残業を抑制せざるを得なくなったため、請求ミスや支払ミスなどのトラブルの発生率が上がりました。
ところが、社長はこの状況に対し、「業務マニュアルを順守していないことが問題だ」などと、ミスを公然と批判しました。
ミスを誘発したのが、自分が打ち出したコスト削減策にあるとは微塵も考えていないのです。
残業を抑制されて短時間で増えた業務に対応している極限状態の人が、悠長に業務マニュアルをいちいち参照すると思っているのでしょうか?
管理部門の実務を社長が理解していれば、こんな事態は避けられたはずです。

営業と管理部門は日々の業務で密接な関係がありますが、果たして営業は管理部門の実務を理解しており、逆に管理部門は営業の実務を理解しているのでしょうか?
これは会社の業務を効率化する上で理想ではありますが、当社も含めて、これができている会社はほとんどありません。

くどいようですが、なぜシステム部門だけが、会社の全てを知っていなければ役立たず扱いをされるのか、どこからその発想が出るのか本当に不思議でなりません。

「システム部は業務を知らない」と嘆く経営者の方はよくいましたが、「システム部は実務を知らない」という批判をする人には初めて遭遇しましたので、ちょっと対処に困りそうです。
(凝り固まった価値観を持っているかもしれませんので)

所詮コスト部門なので、別に仕事を評価してほしいとは思っていませんが、批判されるとなると話は違ってきます。
が、社内SEに転職するなら、これぐらいのことは覚悟しておくべきなのかもしれません。

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非公開コメント

屈辱なんて感じる必要ありませんよ。

困った時に担ぎ出される、何でも屋にならずに済んで良かったですね。
怒られるのも仕事のうち。
社長の戯言は3日も経てば忘れてますよ。
社内SEですから余計な仕事はしないのが正解です。

Re: 屈辱なんて感じる必要ありませんよ。

中小企業診断士さん

染み入るコメント有難うございます。(涙)

新システムが安定稼働してからは、標的がシステム部門から営業部門に移ったようで、最近は平穏な日々を過ごしています。
確かに、無能な社長の言葉なんてイチイチ気にしていてもしょうがないですよね。
その場その場の思いつきで発言する人の言うことなど真に受けず、割り切ってもらった給料の分だけ働いていこうと思います。

プロフィール

Author:たみおと
36歳にして社内SEに転職しました。
ベンダーSE・社内SEどちらの方が記事を読んでも、ご参考になる体験談をUPしていきたいと思っていますので、宜しくお願い致します。

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