受託開発メインの中小ベンダーも生まれ変われる

昨今、クラウドサービスやパッケージ製品の充実速度は目覚ましく、数百人規模の会社ぐらいまでは、既製品を導入するだけでほぼ全ての業務がカバーできる時代になってきました。

それに伴い、長らく日本のIT産業を支えてきたSI市場は衰退期に入ることになり、大手SIer以外でSI事業を行っている会社は、壊滅状態になると言われています。

転職前の会社である中小ベンダーは、二次請け・三次請けが事業の柱でしたので、もしまだ転職せずに前の会社に残っていたとすると、今頃大慌てで転職先を探すハメになっていたことでしょう。

ちなみに、私が転職した動機は、SI市場自体が縮小することを危惧したことだけではありません。

SI市場が縮小することは社長も当然気付いていて、それに代わる事業にシフトしていこうと方針を打ち出していました。
しかし、口ではそう言いながらも、結局は目の前のSI事業による売上を捨てきれず、新事業の研究に社員を割かない状態が続きました。

丸一年の間、10人程度の選抜された社員が新事業研究を行いましたが、通常業務が多忙なことからほとんど時間が割けず、成果はほぼゼロに終わりました。
そして、翌年度も「人数を若干増員するが通常業務との兼務状態は変わらない」との方針が出たとき、私は転職を決意しました。

破滅が目の前に迫ってきているというのに、「結局、この期に及んでも中小ベンダーは何も変われないんだな」と痛感し、その体質に嫌気がさしたためです。

なので、ベンダーは転職先として一切候補に入れず、逆に上流から下流まで経験したことを活かして、内製もできる社内SEを目指してユーザー企業を転職先として選び、現在に至ります。

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さて、「中小ベンダーは何も変われない」と書きましたが、実は今日その認識を根底から覆されました。

最近、Excelで作った一覧表を業務担当者が多人数で共有&更新し合うことにより、ファイルがクラッシュして開かなくなるケースがしばしば起きるようになってきました。
この対策として、Accessを使ってもらうという手も考えました。
が、Accessはあまり業務担当者に馴染みが無く使い方にクセが強いので、もっと分かりやすくて使いやすいものをクラウドサービスで探すことになりました。

有名どころではサイボウズのkintoneなんかが適している事例なんですが、他サービスとの比較検討も必要ですので、他に似たようなものがないかネットで探していたところ、聞いたこともない会社のサービスが目に止まりました。

早速コンタクトを取り、今日デモをやってもらったのですが、そこで私が感じたのは・・・

スゴイもの作りやがったな、このベンダー。(驚愕)
※まだ導入していないので社名やサービス名は伏せておきます。

AWSをインフラとしたクラウドサービスなんですが、ユーザー企業側で自由にテーブルや画面・帳票を作れます。
しかも、UIベースでドラッグ&ドロップするだけで。
凝った処理はJavaScriptで書く必要がありますが、まぁ大した負荷ではありません。

もちろん、kintoneでもできるのですが、機能的には更に上を行っている印象を受けました。
料金体系が違うので単純に高い・安いを比較できませんが、ライセンス数無制限・データ量無制限・アプリ数無制限というかなり良心的な課金体系であることは間違いありません。

また、今回問題になっているExcelのクラウド化以外にも応用範囲が非常に広く、現在社内に散らばっている様々なシステムを統合することも可能なので、コスト削減効果は計り知れません。

しかし、私が最も驚いたのは、そのベンダーの営業が言った言葉です。

「当社は創業47年になる古い会社で、受託開発でずっとスクラッチ開発をやってきました。」
「しかし、近年のクラウドの普及によりそれだけではやっていけないという考えから、数年前よりこのサービスの開発に注力してきて、ようやく昨年から販売ができるところまで漕ぎつけたという経緯があります。」
「まだ新しいので導入企業は少ないですが、非常に評判は良い製品でございます。」


!!なんと・・・!
まさか、これを作ったのが、SI事業にどっぷり浸かっていた中小ベンダーだったとは。

これだけのものを開発できたということは、単純に企画力・技術力だけでなく、人員を専任化して開発に注力させたであろう勇気ある経営判断の影響も大きいでしょう。

クラウド事業としては後発だと思われますが、機能的には現行出回っているものよりも優れており、参入が遅れたことや中小であることの不利さは微塵も感じられません。

私は正直なところ、SI事業しかやっていない中小ベンダーは、全滅で潰れるとずっと思っていました。
しかし、今回の出来事で、経営者次第で変われる会社は変わることができるのだと感じました。
そして、これからも生き残れる会社とは、時代の流れに乗るためにはためらわず投資を断行できる会社なんだということを。

もちろん、今回のベンダーは数年前から投資してきたから間に合ったんであって、他のベンダーが今からマネして変わろうとしてももう手遅れなのは言うまでもありません。(苦笑)


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プロフィール

Author:たみおと
36歳にして社内SEに転職しました。
ベンダーSE・社内SEどちらの方が記事を読んでも、ご参考になる体験談をUPしていきたいと思っていますので、宜しくお願い致します。

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