立ち止まって地盤固めをする勇気

ここのところ、NHK・民放のドキュメンタリー番組で、ヤマト運輸の配送担当者に関する過酷な労働実態が何度か取り上げられました。

何でも、ヤマト運輸は、Amazonの荷物配送の大口契約を、それまで契約していた佐川急便から鞍替えさせたそうです。
企業としては売上競争に勝ち抜いていかなければなりませんから、ある意味自然な戦略だと言えます。
しかし、当然のことながらこれによって配送数は急増し、配送トラックドライバーが悲鳴をあげる結果となりました。
Amazonとの契約はボリュームディスカウントで1個あたりの単価を安く抑えられてしまっているため、コスト抑制の観点から、恐らく人員は殆ど増強されなかったのだと推測されます。

さらに、これに輪をかけているのが「時間指定」「不在時再配達」です。

「時間指定」は、午前中にかなり集中しているそうです。
確かに、私も午前中を指定することが多いです。
そうすれば、午後に出かけることができますからね。
どうやら、みんな考えることは同じようです。

しかし、限られた配送担当で時間内に全てのお宅に届けるのは、やはりかなり無理があったようですね。
と言いつつ、私も荷物が時間内に来なかった、またはギリギリになって来たときなんかは、「遅っせーな、ったく」なんて思ったことも1度や2度ではありません。
実情を知らなかったとは言え、自分も過酷労働を経験した身なのに配送ドライバーの方々を慮ることができなかったことを、深く反省しています。

「不在時再配達」は、今や全配送量の2割にも上るのだとか。
つまり、100個トラックに積み込んだら、20個は翌日以降にもう一回配送しなければならないということですね。
しかも、単価設定は「配送完了ごとにいくら」という方式のため、不在時はヤマトの収益にならず、完全に骨折り損です。

これも自己嫌悪に陥ってしまいます。。。
かなり余裕を持って事前に注文した荷物なんかは、ついつい日時を忘れたりすることも何度かありました。
さすがに、再配達の日時を逃すことは今までありませんでしたが、どうやら再配達時・再々配達時にも不在というツワモノが相当数いるらしい・・・(呆)

いくらなんでも、それはヒドすぎるんじゃない?
人のことを犬かなんかだとでも思っているのでしょうか、、、
せめて、事前に連絡ぐらいしてあげたら?って思います。

ともかく、整理するとヤマト運輸の配送現場がアップアップになってしまった要因は、「Amazonからの大量の荷物を、指定時間を守りつつ届けたのに、やたら不在の人が多い。」って感じでしょうか。

ここまで苦労してAmazonの荷物に対応しているのに、何とヤマト運輸の業績は悪いんだとか。
確かに大量受注できて売上はアップしたんでしょうが、ボリュームディスカウントのせいで単価を値切りに値切られ、利益率がやたらと低い荷物を捌いているのが原因です。

まさに踏んだり蹴ったり。

給料は当然上がりませんから、ドライバーの退職希望者も多いようです。

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ここまで見ると、単なるクソみたいなブラック企業ってことになりますが、ヤマト運輸の対応はここからが素晴らしい。

まず、消費者に利便性を少し犠牲にすることを求めました。
指定できる時間帯を一部廃止したり、駅のロッカーから消費者が自分で持って帰る仕組みを導入したり・・・
まぁ正直、時間指定なんて別に2時間ごとじゃなくてもいいですし、仕事で指定時間までに帰宅できないリスクを考えたら、遅い時間でも受け取れる駅のロッカー方式の方がかえって有り難い気もします。

あれ、むしろ便利になってない?
しかも、ドライバーの人は個々の家を回らなくても、駅のロッカーに入れればいいだけになるし。

あとは、Amazonとの料金交渉も行うんだとか。
できれば問題が知れ渡る前にやっておきたかったとこでしょうが、まぁ今からでも遅くないと思います。
何よりネット通販会社なんて、配送してくれる業者がいなくなったら一巻の終わりですから、交渉の余地はあるでしょう。
(「注文から~時間以内に配送します!」なんてアピールは絵に描いた餅になっちゃいます。)

最後に、今日公開されたニュースの「ヤマト、巨額の未払い残業代 7.6万人調べ支給へ」です。

どこも一緒でしょうけど、運送会社なんて山ほどサービス残業が横行してそうなイメージがあります。
この度、日本中に過酷労働の実態が知れ渡って大幅にイメージダウンしてしまったのですが、この機に膿を出し切って一気に清算してしまおうというのですから、これは思い切った改革です。

目先の業績に目がくらんだ経営者だと、まず出てこない発想です。
普通に考えれば、この問題をこのまま放置し続ければ、恐らくヤマト運輸のドライバーは次から次へと辞めていき、かつイメージダウンにより補充の人員が集まらず、業務が成り立たなくなることが想像できます。

このため、先を見据えれば、たとえここで巨額の出費をしようとも、今いるドライバー達をつなぎとめ、かつドライバー募集に人が集まるように、真剣に改革に取り組んでいる姿勢を内外に示さなければなりません。
しかし、株主にばかり目がいく経営者だと、現場社員がどんな目に遭っていようがおかまいなし。
とにかく業績が最優先ですから、この先ジリ貧になると頭では分かっていても、巨額の出費で利益を圧迫するような施策にはなかなか踏み切れません。

今回の問題で、ヤマト運輸はイメージ的にも出費的にも大ダメージを負うことになります。
しかし、これをやり切った場合、企業イメージは逆に競合他社に比べてずば抜けて良い印象を内外に植え付けることができます。
何せ、配送業界はどこもブラックですから、相対評価として「何て社員のことを考えてくれている会社なんだろう」と心理的に感じるものですから。

ここで、当ブログでも何度か登場している言葉を。

うちの会社の経営者も見習って欲しいなあ。。。(泣)
一旦成長を足踏みさせてでも社員満足度の改善に取り組まないと、近い将来足もとから瓦解していくよ?

※関連記事はコチラ。
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Author:たみおと
36歳にして社内SEに転職しました。
ベンダーSE・社内SEどちらの方が記事を読んでも、ご参考になる体験談をUPしていきたいと思っていますので、宜しくお願い致します。

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