信頼してもらう技術 ~ 「できません」は控えめに ~

社内SEとして業務部門に『信頼してもらう技術』シリーズ第4回。
ブログに書こうと過去を思い返してみると、結構色んなテクを使ってきたなぁと我ながら感心してたりします。(苦笑)

※関連記事はコチラ。
  第1回:信頼してもらう技術 ~ 積極的に理解しようとする姿勢を見せる ~
  第2回:信頼してもらう技術 ~ 積極的に提案する ~
  第3回:信頼してもらう技術 ~ 自分から約束し、かつ必ず守る ~
  第5回:信頼してもらう技術 ~ 期待以上の成果を出し続ける ~


<今回のテーマ:「できません」は控えめに>

SEとして仕事をしていると、実現が困難じゃないかと想定される要件に遭遇することがしばしばあります。

こんなときは、「できないことに対しては、“できない”とはっきり断る」が基本スタンスだと、多くの人は教えられてきたと思います。
もちろん、私も若い頃、先輩や上司にはそう教えられました。

実際、この考え方は正しいです。
いかにも実現できなさそうなことに対して「できます」と承諾しておきながら、後になって万が一実現できなかった場合、信頼を失うことに繋がるからです。

これは特にベンダーSEにとって重要です。
ベンダーSEが顧客に対して一旦「できます」と言ってしまったことは、議事録や要件定義書・外部設計書などに明記され、必ず実現しなければならなくなります。
それが、当初の想定と違って大幅な工数増となったとしてもです。
なので、プロジェクトマネージャからすると、そのようなリスクをできるだけ回避したいので、前述のように「できないことに対して、“できない”とはっきり断る」ということをメンバーに徹底するのです。

社内SEの場合は最悪部長クラスの人が他部門や経営層に頭を下げれば済むかもしれませんが、それでも他部門・経営層からシステム部の信頼を損ねることには変わりありません。
実際、私が今の会社に入社したばかりの頃は、「システム部は“できない”しか言わない」と他部門や経営層の人達に思われていました。
過去の経緯を聞くと、システム部の部長・課長が他部門からの要望の数々を「できない」と一刀両断してきたことが原因だと分かりました。

ここで、1つ不思議なことがあります。

①“できる”と言ってできなかったとき ⇒ 信頼を失う
②“できない”と言って何もしなかったとき ⇒ 信頼を失う


そうです。
“できる”・“できない”のどっちを答えても信頼を失ってしまうということです。

社内SEについて特にこの傾向があります。

ベンダーSEの場合は、顧客から見てベンダーが“できない”と答えたとき、『技術を持つベンダーがそう言うなら本当に難しいのかも』『ベンダーも利益確保のためそう答えるしかないのだろう』というように、あまりマイナスイメージにはなりません。

しかし、社内SEの場合は、『単にやりたくないから“できない”と言っている』『技術に疎いだけではないのか』という印象を持たれやすいのです。
(なぜ社内SEがこうも見下されるのか、この原因は私もまだ分かっていません・・・)
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さて、ではどのように回避するのが良いか。
答えは単純明快です。

“できない”を多用しないことです。

私が今の会社に転職して社内SEになってから、業務部門からの要望にはできるだけ前向きに応えてきました。
それには、「第2回:信頼してもらう技術 ~ 積極的に提案する ~」のノウハウも活用し、困難と思われることにも対策案を考えて提案し、多少時間がかかっても実現をしてきました。

これにより、思わぬ副産物が産まれていることにある日気付きました。
いつの頃からか、“できない”と回答しても手離しで信用してもらえるようになっていたのです。

いくら“できない”を多用していないとは言え、やはり要望の中にはどうやっても実現できないものがあります。
そのような要望に対しては、さすがに私でも「いや~、これはちょっと厳しいですね。(苦笑)」などと答えざるを得ません。
これに対し、業務部門は「そうですか~。いや薄々そうかなって思ってたんですよ。(笑)」とあっさり引き下がってくれるのです。

一方で、部長・課長や他のシステム部員が断ったときには、「なぜできないんですか!?何か方法を考えて提案してくださいよ!」といった感じで食って掛かられてしまうのですが、この差がなぜ生まれるのか最近になってようやく分かりました。

業務部門とのある打ち合わせにて・・・
ある要望を課長が断ったところ、上記のような口調で業務部門の担当者(女性)から食って掛かられる事態がありました。
その後、休憩時間でたまたま会議室に私とその担当者の2人きりになり、こんな会話がありました。

私   :「私も実現方法をちょっと考えてみたんですが、、、ちょっと難しそうですね。」
担当者:「あ~、そうなんですね。たみおとさんが言うんじゃあ、しょうがないですね。。。」
私   :「ハハハ。私が言うと何か違うんですか?(笑)」
担当者:「だって、たみおとさんってあんまり“できない”って言わないじゃないですか。(笑)」
     「たぶん、たみおとさんが“できない”ってことは、本当にできないんでしょうね。」
私   :「なるほど、そういうことだったんですね。(笑)」

まさか、こんなふうに思われているとは意外でしたが。。。
ベンダーSEの頃とは違って、多少困難な要望でもプロジェクトの利益を圧迫するなんてことがないので、できるだけ対応案を提案してきたのが、意図せず功を奏していたみたいです。

要するに、下記の2つは同じ“できない”でも重みが全く違うということです。

・普段から“できない”と言っている人に今回も“できない”と言われた
・普段は“できる”と言っている人に今回は“できない”と言われた


なので、要望に対しては、普段から可能な限り“できる”と答えて実現するよう努めましょう。
ただ、勘違いしないで頂きたいのは、根拠も無く“できない”ことを何でもかんでも“できる”と答えるのは単に無責任なだけだということです。
どうしてもできないものに対しては、冒頭のセオリー通り「できないことに対しては、“できない”とはっきり断る」こともまた必要です。

このとき、ただ単に“できない”と即答するのではなく、「良い案が無いか考えてみますので、ちょっとお時間下さい。」と一旦持ち帰ってみて、後で「色々と手を考えてみたんですが、ちょっと良い案が浮かびませんでした。」といったように、何とかしようと努力しました感を出すのも手です。
人間は自分のために誠心誠意尽くしてくれる人を無下にはできないもので、この手を使うと、同じ“できない”でも受け取る側の印象が随分違ってきますので、ご参考までに。
(ただし、これもやはり多用は禁物です)


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プロフィール

Author:たみおと
36歳にして社内SEに転職しました。
ベンダーSE・社内SEどちらの方が記事を読んでも、ご参考になる体験談をUPしていきたいと思っていますので、宜しくお願い致します。

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