信頼してもらう技術 ~ 積極的に理解しようとする姿勢を見せる ~

社内SEは、諸々の問い合わせ対応だけでなく、自社の様々な部門の業務改善に取り組むことが求められます。
その中には、マクロ開発など小規模で終わるものもあるでしょうし、新システムの導入などプロジェクト化されることもあるでしょう。
そのため、各部門の担当者との打ち合わせ機会も多く、意外とコミュニケーション能力を要求されます。

その際、業務部門と信頼関係を築けていないと、業務改善の要件定義、すなわち要望のヒアリングや落としどころもままならず、さらに信頼を失う恐れがあります。

従って、業務部門の担当者から信頼を得ることを常々意識しなければなりませんが、今回から数回にわたって社内SEになって1年ちょいの私が実践してきたことをご紹介したいと思います。

といっても、全てベンダーSEだった頃に顧客向けに実践してきたことですので、社内SEになって新たに身に付けた技術はありません。
つまり、『信頼してもらう技術』という点ではベンダーSEも社内SEも大差なく、現在ベンダーSEで顧客の信頼を得ている人ならば、社内SEになってもきっと信頼されるだろうと思われます。

※関連記事はコチラ。
  第2回:信頼してもらう技術 ~ 積極的に提案する ~
  第3回:信頼してもらう技術 ~ 自分から約束し、かつ必ず守る ~
  第4回:信頼してもらう技術 ~ 「できません」は控えめに ~
  第5回:信頼してもらう技術 ~ 期待以上の成果を出し続ける ~


<今回のテーマ:積極的に理解しようとする姿勢を見せる>

SEなんだから、そんなことは当たり前だろうという声が聞こえてきそうですが・・・

実は、私が今の会社に入社したばかりの頃、情報システム部と業務部門の関係は決して良くありませんでした。

というのも、その頃のシステム部は、部長・課長をはじめ「業務部門から仕様を提示してもらえれば対応する」という消極的なスタンスでした。

私が最もビックリしたのは、新基幹システム導入プロジェクトで、ベンダーとの仕様の打ち合わせのときのことです。

打ち合わせの席に業務部門の担当者も参加してもらって・・・というところまではまだ許せたのですが、仕様の検討がベンダーと業務部門担当者の間でしか行われず、システム部は5人も出席しておいて誰も一言もしゃべらないという状態でした。

このため、この頃のシステム部は、業務部門から「ベンダーとの打ち合わせ日時の調整役」ぐらいにしか見られておらず、ITの見地からベンダーと業務部門の通訳をするといった役割すらできていませんでした。

システム部門がこうなってしまったのには、2つの原因が考えられます。

①現行システムや実務に関する知識が乏しく、議論に参加できない
②上手くいかなかった場合に責任追及されることを恐れ、意見が述べられない


もちろん、こうなってしまった経緯は色々あったのでしょうが・・・新参者の私には知る由もありません。

正直な話、針のむしろに座っているようで決して居心地の良いものではありませんでしたので、新基幹システム導入プロジェクトの主担当になったのをきっかけに、業務部門との関係改善にも取り組むことにしました。
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そのためには、まず「ベンダーとの打ち合わせ日時の調整役」という酷いイメージを払拭しなければなりません。

私の場合は新参者でしたから、これを逆に利用して、業務部門の担当者に頭を下げ、実務を教えてもらうことにしました。
もちろん、彼らも忙しいですから、1から10まで教えてもらうわけにはいきません。

このため、まずは書籍で一般的な業務知識を頭に入れ、その知識をもとに差分だけを確認する手法をとりました。
例えば、ある事柄において「私はこう理解していますが、合ってますか?」「一般的にはこういう流れだと思いますが、当社も同じですか?」という感じです。
こう質問すると、私の理解が合っていれば「そうです」と答えてくれますし、違う部分があれば「この部分は合っていますが、当社はここが違います」というように差分を答えてくれます。

このため、ヒアリングの効率が上がるうえに理解も進みやすく、何より相手からすると「たみおとさんは一生懸命勉強してくれている」「たみおとさんは自分達の実務や考えを理解しようとしてくれている」という好印象を持ってくれるようになります。

その証明として、入社して2ヶ月が経とうとした頃、業務部門の女性陣にこんなことを聞かれたことがあります。

女性陣: 「たみおとさんって、この業界のシステムを作ったことがあるんですか?」
   私: 「いえ、前の会社では食品卸売業向けのシステム開発ばかりやってまして、今の業界は全くもってド素人です。」
女性陣: 「えー!そうなんですね。」
   私: 「何か気になることがありました?」
女性陣: 「私たちの話がすごく良く通るので、てっきりこの業界の経験があるのかと思ってました。」
   私: 「ハハハ、そうですか。一応、この業界の参考書を何冊か読んで勉強したからですかねぇ。」

人間は誰しも「自分の考えを他人に分かって欲しい」ものです。
業務部門がシステム部を信頼しなかったのは、自分達の考えを誰も分かろうとしなかったためなのです。

逆に、私が彼らの状況を積極的に理解しようという姿勢を見せたため、たった入社2ヶ月足らずでド素人にも関わらず、私は業務部門と良好な関係を築けたのです。

ま、何かウラがあったのかもしれませんが。(苦笑)
(女性はしたたかですから・・・)

ちなみに、ヒアリング時の追加エッセンスとして、合間合間に「彼らの仕事の大変さを共有する」ということも駆使しました。
といっても、何も難しいことではなく、現行システムで非効率な業務を強いられていると感じたら、「うわー、それは大変ですね。」「それは割りに合わないですねぇ。」などと多少大げさに、かつわざとらしくない程度に相槌を打つことです。

これを行うメリットは、私のことを「グチのはけ口」(笑)として見てくれるようになり、実務上で普段困っていることを積極的に話してくれるようになります。
結果として、どんどんヒアリングが楽になり、かつその部門の上長すら知らないような裏話が聞けて、会社の情報通になります。
様々な議論や交渉をする際にはお互いが持つ情報量がモノを言いますので、その人が知らない話をすると「この人は当社のことを何でも知っている」と錯覚させることができ、こちらが有利に議論を展開できるようになります。

閑話休題 ―

整理すると、他人から信頼されるには、相手の話を理解しようとする姿勢を見せることが第一歩となります。
そのためには、積極性という態度で見せることはもちろんのこと、基礎知識を予習しておくという事前準備を行うことも重要です。

注意点として、このとき予習した内容が話に出てきたとしても、決して「知ったかぶり」はしないようにしましょう。
逆に、知っている内容が出ても敢えて知らないふりをして質問する、というのは応用テクニックとしてアリです。
(これは、人に物事を教えることが好きなタイプを相手にやると効果的です。)

※コチラもご参考までに。。。
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プロフィール

Author:たみおと
36歳にして社内SEに転職しました。
ベンダーSE・社内SEどちらの方が記事を読んでも、ご参考になる体験談をUPしていきたいと思っていますので、宜しくお願い致します。

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