ITベンダーのこれから

中小ブラック企業のいちSEに過ぎなかった私ごときが何を偉そうなことを、という感じが自分でもしますが、ベンダーSEと社内SEの両方の経験を踏まえ、独自に考察してみます。

皆さんそれぞれお考えをお持ちだと思いますが、あくまで私個人の予想ですので、話半分に読んでもらえると幸いです。




まず、一言で言うと、多くのITベンダーにとっては厳しい状況になると予想されます。
もちろん、前の会社も含めて、これまでも十分厳しい中を生き残ってきたと思いますが、さらに競争が激しくなるでしょう。

その理由として、以下のようなことが挙げられます。

1.クラウドを基盤とした各種サービスや、パッケージ製品が出揃ってきたこと
  もはや、一からシステムを開発する時代は終わりつつあります。

2.技術革新のスピードが、これまでに輪をかけて速くなったこと
  このスピードに追いついていけるのは、専門の技術研究部隊を持てる一部の企業のみです。

3.10月からの派遣法改正
  ちなみに、この記事を書いている本日、改正派遣法が成立しました。
  9月11日成立で、9月30日施行とは、結構ムチャクチャですね。(苦笑)

さらに詳細に見ていくと、こうなります。


1.クラウドを基盤とした各種サービスや、パッケージ製品が出揃ってきたこと

今勤めている会社もそうですが、基本的に一からシステムを構築するという選択肢はありません。
今や、各種サービスやパッケージを購入し、少しカスタマイズするだけでシステムが導入できてしまいます。
このため、膨大な費用と期間を費やしてまで、オーダーメイドのシステムを開発するメリットは、ほぼ無くなってきました。

<影響を受けるITベンダー>
 独自のクラウドサービスやパッケージ製品を持たないITベンダーは、企業規模に関わらず、この先受注が激減するでしょう。
 逆に、これらを持っているベンダーは、サービス・製品販売だけでなく、カスタマイズや保守で潤っていくと思われます。


2.技術革新のスピードが、これまでに輪をかけて速くなったこと

自社の業務を各種サービスやパッケージに合わせられないユーザー企業については、今後もオーダーメイドのシステム開発は選択肢に上ります。
しかし、このような企業は年々減少していくと予想されるので、受託開発を主軸とするITベンダー同士の競争が、さらに激化するでしょう。
ここで受注を勝ち取り、かつ利益を出すためには、生産性の高い開発手法や最新技術の採用が不可欠となります。
  
<影響を受けるITベンダー>
 自社で専門の研究部隊が持てないITベンダーは、次第に受注競争の勝率が低下していくでしょう。仮に価格を下げて受注できても、低い生産性のままでは利益を出すことが困難なため、やはりジリ貧な状況になります。
 逆に、最新の開発手法や技術に対応できるITベンダーは、有利になるかもしれませんが、恐らく専門部隊が持てるのは、大手のベンダーのみでしょう。

※ちなみに、前の会社でも技術研究プロジェクトが発足しましたが、日々の仕事と兼任だったため、殆ど研究活動ができず、成果はでませんでした。
なので、研究部隊を持つだけでは全く意味がなく、メンバーを専任化することが重要です。

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3.10月からの派遣法改正

技術者派遣事業は、赤字になるリスクが無く、技術者を右から左に横流しするだけで、確実に利益が出るオイシイ事業です。
※これは、多重派遣となり派遣法違反ですが、IT業界では横行しています。

また、同時にSES契約などの委託契約を隠れ蓑にした偽装請負も、派遣法違反ですが、よく使われています。
(かく言う私自身も、多重派遣・偽装請負で派遣されたことがあります。)

日本のIT業界は、技術者派遣によって成り立っていると言っても過言ではない状況で、特に中小ITベンダーにとっては売上・利益の大半を占めている会社も多いことでしょう。
これが上手く回っている要因の一つに、「ソフトウェア開発業務」への派遣は、期間制限が無いことが挙げられます。

このため、1人の技術者が保守業務で5年とか10年に渡って、安定した売上・利益をもたらしているわけですが、10月から施行される改正派遣法では、「ソフトウェア開発業務」を含む政令26業務の括りが無くなり、最長3年までしかその技術者を派遣できなくなります。

また、派遣事業を行うために、資本金・資産などの要件を満たすことが法律に盛り込まれました。

<影響を受けるITベンダー>

 まさに、上記2つのどちらにも対応できないITベンダーの頼みの綱ですが、
 零細企業は派遣事業者の要件を満たせず、廃業に追い込まれる可能性があります。
 また、それらの零細企業から技術者を派遣してもらって横流ししているベンダーは、技術者を調達できなくなり、業績を大きく落とすでしょう。
 さらに、せっかく派遣できても、最長3年でその技術者は強制的に契約終了となりますので、その技術者の次の行き先と、代替要員の手配を迅速に行えるかが課題となります。

 ※とは言え、現在も堂々と派遣法違反をしていますので、官公庁のチェックがこれまで通りザルのままだとしたら、影響は軽微かもしれません。(運悪く何社かは見せしめのため、監査が入るでしょうが)


ここまでお読み頂き、有難うございます。

ちなみに、私が転職時にITベンダーを視野に入れなかったのは、上記のようなことを考えていたことが最大の理由です。

もし、私と同じようなことを考えており、かつご自身の会社が上記のいずれにも対応できないようでしたら、他社や社内SEなどへの転職をご検討されてみてはいかがでしょうか。
あるいは、自社を変えるように働きかける、というのも1つの方法だと思います。

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プロフィール

Author:たみおと
36歳にして社内SEに転職しました。
ベンダーSE・社内SEどちらの方が記事を読んでも、ご参考になる体験談をUPしていきたいと思っていますので、宜しくお願い致します。

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