Watson&SlackのAIチャットボットは噂以上に簡単だった!

ここんとこ世界中を席巻しているIBM Watson。

興味はあっても、基幹システムのお守りもあって中々具体的な行動を起こせずにいました。
ただ、先日参加したセミナー「POWER UP ソリューションフェア2017」でもWatsonは進化を続けていること、そして日本でも導入企業が増えてきている話があり、そろそろ私の会社も動き出さないとマズそうだという焦りは感じていました。

それに、基幹システムが安定稼働している今、来期の目標ネタに困っているという世知辛い事情もあります。

一応、自作RPAの導入を加速させて大幅なコストダウンを図る、っていうネタは1つ用意してあるんですが、さすがにこれだけで1年間しのげる筈もありません。
なので、もう1つぐらい大きめのプロジェクトを立ち上げとておきたいと、ちょうど思っていたところでした。

それに、うちの社長もAIという言葉がどうやらお好みのようなので、まさにうってつけ。(苦笑)

そんなわけで、今月に入ってから日常業務の合間をぬって、Watsonの研究を開始し始めました。
ちなみに、Watsonのことはざっくりと「AIでなんかやるためのもんでしょ?」ぐらいの知識しかなく、ほぼゼロからのスタートです。(苦笑)

まずは、全体像をつかむために、いつものように入門書を購入。

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なるへそ。
Watsonというのは、IBM Bluemix上で公開されている1サービスに過ぎないんですね。

ちなみに、この本を読むまで「Bluemix」なんてものがあること自体、知りませんでした。(恥)
AWSもそうですが、最近はどこの大手企業もクラウドで色んなサービスを自由にチョイスできるものを提供してるんですね。
全く、便利すぎる世の中になったものです。

Watsonのカテゴリだけで見ても、ConversationやSpeech To Textなど、用途に応じて色々なサービスが用意されています。
ま、1人で全部やるのは厳しいので、ここは先日のセミナーでも話題に出てきた「チャットボット」の作成に絞って研究を進めることにします。

うちの会社にしても、社内の問い合わせは非常に多いので、これをチャットボットで解消できれば大幅なコストダウン&全体のスピードアップにつながる事うけあいです。

さて、チャットボットを作るには、Watson Conversationを使えばいいのね。
幸運なことに、ここ数ヶ月でSlackと連携できるようになったとか。
よし、ユーザーに使わせるUIはSlackで決まりだな。

後は、ネットの情報も参考にしながら、まずは簡単な会話が行えるところまで行ってみることにしましょう。

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1.IBM Bluemixにユーザー登録

11月から「ライト・アカウント」なるものが登場し、Bluemix上のほぼ全てのサービスがなんとタダで使えるようになりました。
メモリが上限256MBまで等の多少の制限はあるものの、試しに使う分には何の問題もありません。
しかも、そのまま商用利用もしていいって、、、
いくらBluemixを普及させたいからって、太っ腹すぎるだろ。(嬉)

2.Watson Conversationのサービス利用開始

Bluemix上のカタログから選択するだけ。
先述の入門書を見ながら、システム部によく寄せられる問合せの中から2つばかり選定してIntent・Entity・Dialogを試しに作成。

3.Node-REDのサービス利用開始

これもBluemix上のカタログから「Node-RED Starter」を選択するだけ。
Node.jsやNoSQLDBのインストールなども行われるため、ボタンを押してから実際に稼働状態になるまでに5分ほどかかる。

4.Slackにユーザー登録

Slackのサイトから行う。
速攻で終わる。

5.SlackにBotsを追加

Slackのサイトから行う。
またしても速攻で終わる。(笑)

6.Node-REDでSlack BotsとWatson Conversationの連携フローを作成

単純なものなら、【Slack Bot In】⇒【Conversation】⇒【Function(返答抽出)】⇒【Slack Bot Out】のたった4ノードで完了。
初めてNode-REDを触った私ですら、5分で作れた

6.動作確認

Slackからダイレクトメッセージで上記5のボット君を指定し、質問してみる。

で、で、できとる。(驚)

ここまでかかった時間はたったの1時間ほど。

しかも。。。

①ここ最近BluemixのUIが大幅に変更になったらしく、ネットで調べた画面サンプルと結構違ってたことで、やや戸惑いながらだった。
②一応手順書として後で整備することを考えて、画面コピーをとったりしながらやった。
③ついでにNode-REDのお勉強をちょっとやっていた。

つまり、手順が頭に入っている状態で環境構築だけに注力してやったとしたら、恐らく30分もあれば余裕でできてしまうのではないかと。

ライト・アカウントのメモリが256MBしかないとは言っても、Slackからの応答時間も大して気にならないレベル。
なんか、Conversationを会話エンジンにしたチャットボット製品なんかも色んな会社から出てるみたいですが、要らなくね?

だって、「Slack使ったこと無い」「Bluemix使ったこと無い」「Node-RED使ったこと無い」「Watsonって何?レベル」のド素人ですら1時間で作れちゃうんですよ?
確かにAIだから、環境が出来上がった後の学習のさせ方が大変なことは間違いないんですが、その点は市販品も同じはず。

社外向けにチャットボットを作るなら、見栄えや遊び心のセンスも必要なので、市販品がいいかもしれません。
でも、社内向けならこれで十分だなぁ・・・

繰り返しになりますが、まさかここまで簡単に作れるとは思いませんでした。
しかもタダで。
これで、来週からは会話のキャッチボールの部分に専念して研究を進められそうです。

当面はSlackボットでいくつもりですが、なんとWatsonチャットボットのサービスを今後Bluemixで提供予定だとか。
(セミナーでIBMの人が言ってた情報で、既に英語版は公開済、現在日本語化を進めているらしい)

まだニュースにはなっていないことから、早くてもサービス提供は再来年以降だと予想されるんですが・・・
そうなると、今の市販品チャットボットすら駆逐されてしまう可能性が。(汗)

IBMさんにこうも先手先手を取られちゃ、ベンダーさんもおまんま食い上げですね、こりゃ。。。


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AIチャットボットで経営者が釣れた(笑)

12月にWatsonとSlackでAIチャットボットを作ってから、約4か月―

正直なところ、あんまり進んでいなかったりします。(苦笑)

試作品としてシステム部門、とりわけ問合せが日常的に多い運用関係のFAQを学習させて社内に公開してみようかと思っていましたが、とにかく忙しくて忙しくて・・・
いや、私が忙しいわけではなく、運用担当者が非常に多忙で、想定問答を出してもらいたいんですがそれを中々お願いできない状況なんですよねぇ。。。
かと言って、中途半端に学習させた状態で公開しちゃったら、ボット君は「その質問にはお答えできません」的なことを頻繁に返すことになってしまい、すぐに誰も使わなくなってしまいそうですし。

仕方が無いので、業務部門のどこかを実験台にしてやろうかとも思いましたが、聞く人聞く人がこれまた多忙すぎる・・・(汗)

なんなんだ、この会社は。

こんな慢性的に忙しい状況をほっとくなよ、うちの経営者さんよ。
実は、今期にとある会社を買収し、来期から1つの会社になるのでその業務統合にどの部門も追われてるんですよ。

ただでさえ退職者が続出してるっていうのに、業務を増やしてどうすんだよ。

働き方改革とやらを本当に実現する気があるんでしょうか。
まさかとは思うが、RPAで全て解決するみたいに考えてないよな・・・(汗)

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ということで、ここ2ヶ月ぐらいは何も進展せずに軽い塩漬け状態になっています。

ただ、あまり時間をかけすぎると、システム部の立場が悪くなりそうな気がする・・・
というのも、最近、会長・社長が前にも増して「時代はAIだ」的なことを公言するようになっているため、「システム部はAIに何も取り組んでいないのか」というような流れになる可能性があります。

しかもRPAをAIの1つだと誤解しており、そのRPAすらシステム部からではなく営業部門から提案された、ということもちょっと懸念材料です。
私がRPAを自作できることを知っているならまだしも、知らなければ「システム部は最新動向に疎い」という印象を持たれていてもおかしくありません。
まぁ、この点については、自作RPAのシェアが拡大しきった頃に存在を知るところになれば、印象は逆転するかもしれませんが・・・

こういった被害妄想背景もあるので、進展していないまでもAIチャットボットを作ってるよってことは知っておいてもらった方が良いかと思います。
なので、AIチャットボットについては、毎週水曜日に実施されている幹部会議で、部長から「AIチャットボットの環境作った」件を報告してもらいました。

そうするとどうでしょう。

思った通り、会長が食いつきやがったらしい。(笑)

しかし、少々食いつきが良すぎたせいか、またいつもの十八番「すぐやれ指示」がでました。(汗)
やっぱりこうなったか。
自作RPAを報告しなかったのも、これがあるからなんだよなぁ・・・

ただ、そうは言っても今は自作RPAでの業務改善がどの部門も急務です。
なので、AIチャットボットは、今まで通りあまり進捗させず、しばらくはのらりくらりで行こうとおもいます。

だって、私がAIチャットボットに注力するってことは、業務部門の業務改善がストップするということになりますから。
確実に効果が見込める自作RPAと違って、AIチャットボットは未知数です。
どちらを優先するかはお利口な経営者なら理解してもらえると思ってますが・・・

平気で「両方ともすぐやれ」とか言いそうですね。(苦笑)


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チャットボット導入、あっけなく頓挫

チャットボットの記事も久々ですね。

ここ数ヶ月、どちらかというと自作RPAの方に注力していたので、チャットボットの取り組みは停滞していました。

それもある意味仕方ありません。
RPAの方は提供したら必ずかつすぐに効果が表れるのに対し、チャットボットの方は効果があるかどうかも未知数なものですから。
なので、どうしても作業の優先度が低くなってしまうのです。

とは言っても、全く何もやっていなかったわけではなく、チャットボットによって問合せを自動応答できるようなネタが無いか、デモを交えながら様々な部門にヒアリングして回っていました。

で、結果はと言うと・・・

我がシステム部門以外は、自動化できず。(汗)

意外と、定型的な問合せって、少ないもんですねぇ。。。
各部門とも、数個ぐらいずつは定型的な問合せがあるんですが、その程度のものをチャットボット化したところで、誰も使いません。

システム部が比較的多いものの、それでも全体の問合せの約3割程度。
3割と聞くと意外と多いように思う人もいるかもしれませんが、私が他部門の社員だったとすると、たぶんボットには質問せず、直接システム部門に電話で聞くと思います。(苦笑)

このため、少なくとも当社においては、チャットボットは殆ど業務改善に貢献しないというのが、私の印象でした。

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その上、もう一つ問題が発覚しました。

それは、Slackのセキュリティの甘さにあります。

①ユーザーのファイルアップロードを禁止できない
②接続元のグローバルIPを限定できない


当社は、業種の特性上、多くの個人情報を扱っています。
このため、セキュリティ対策は他の業種よりもかなり厳しく、社内のPCから外部にファイルを持ち出すなど論外。

なのに、チャットボット導入のためにSlackを全社展開してしまうと、このセキュリティ対策に穴を空けてしまうことになるのです。

実は、①のファイルアップロード制限ができないことは、元々知っていました。
でも、接続元のグローバルIPが限定できれば、社外へのファイル持ち出しはできないので、問題は無いと考えていたのです。

が、、、

よくよく見たら、グローバルIPを指定できるのって、ボットに対してだけやん。(汗)

ボットに対してだけは、社内PCからしかつながらないように設定可能です。
しかし、Slackユーザー同士は、普通に自宅PCやスマホからでもつながってしまうのです。

なんつー無意味な設定項目・・・

事前調査が甘かったですね。
色々ググってみると、アップロードされたファイルを監視して日次で削除するようなバッチを作って運用しているケースもあるようですが、当社の場合はアップロードから削除までのタイムラグがある時点でアウトです。

Slackを通じての社内情報漏洩が完全に防げないとなると、残念ながらチャットボットを導入するわけにはいきません。
効果が無いかもしれないとなれば、尚更です。

そんなわけで、期間的には半年ちょい取り組んできたAIチャットボットですが、ここであえなく導入見送りとなりました。
今後、Slackのセキュリティ機能が強化されたら再検討するかもしれませんが、望み薄っぽいですね。。。

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プロフィール

Author:たみおと
36歳にして社内SEに転職しました。
ベンダーSE・社内SEどちらの方が記事を読んでも、ご参考になる体験談をUPしていきたいと思っていますので、宜しくお願い致します。

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